ブロークバックマウンテンを見てきましただ。
「ゲイのカウボーイの話」ってことが話題を呼んだ映画ですが、 「不器用な生き方しかできない男のラブストーリー」というほうがしっくりくる気がしますだ。 背景になる大自然が美しい。 新聞記事でアン・リー監督のことを「単に台湾出身の映画監督というより芯からの コスモポリタンだ」と評しているのを読んだことがありますだ。 確かにこういったアジア人の登場しない映画でも(異文化なのに)違和感なく見れる ところに彼のコスモポリタンぶりが窺える気がしますだ。 それでも登場人物のふとしたしぐさ、その場の雰囲気などにアジア的な感じ (あいまいな言い方ですだなあ、でもそんな言葉しか浮かばねえ)を受けるときがあります。 そこがこの監督の演出によるのか、面白いところですだ。 「いつか晴れた日に」の中で、風邪を引いたケイト・ウィンスレットが見舞いに来る 恋人を居間で迎えようとして「鼻水が垂れたりしたら恥ずかしい」というセリフで 居間ではなく病人らしく寝室で迎えようとどたばたするシーン、 「鼻水が垂れたりしたら」なんて言い方とその場のどたばたぶりがなんともアジア的、 というか非西洋ぽくって余計にユーモラスに感じたのを覚えていますだ。 原作にもそんなやりとりがあるのでしょうか? それともエマ・トンプソンが思いついたセリフ? ジェーン・オースティンでは「鼻水」なんて率直に言いそうにねえ気がしますだよ。 ブロークバックマウンテンでも、ジャックの実家を訪れたイニスが二人の思い出のシャツを (テントの張り方に細かく気を配り、服はきちんとたたむイニスがこのときだけは ぐるぐる巻きにしてシャツを持ってくるのがとても印象的でしただ)持って帰ろうとして ジャックの母親が何も言わずに紙袋にシャツを入れてやる。その言葉のないシーンに やはりアジア的なものを感じたのですが、単におらが感傷的だったのかな。 ジャックの母親の目が言葉よりも多くのことを語っていて、泣きたくなる場面でしただ。 愛することの難しさ。。。 見終わってからじわじわと心に迫ってくる映画ですだ。
by rangerstrider
| 2006-04-25 23:34
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