カテゴリ:本のこと( 23 )

ドクトル槇と時間の速度

最近読んで面白かった本。

許されざる者 上

辻原 登 / 毎日新聞社



許されざる者 下

辻原 登 / 毎日新聞社



ええっと、クリント・イーストウッドもオードリー・ヘップバーンもでてきませんが。(うっ、我ながらふ、古い、、、、)

この2冊、横に並べると宇野亜喜良さんの美しい装画がより楽しめますだ。

明治後半の架空のまち「森宮」を舞台に、史実と虚構が見事に織り成す物語。
     
     米国で医学を修め、インドで脚気の研究に取り組んだドクトル槇(槇隆光)、通称「毒取ル」。
     若くして、莫大な財産を相続した美しい姪。
     ユーラシア大陸を縦断して日本へもどってくる巨大仏教教団の後継者。
     森宮へ静養にやってくる陸軍少佐と美しい妻。
     アンナという女性が落とした柄付き眼鏡。ハーフィズ詩集。

ここに実在の人物たちが絡んできますだ。森鴎外、田山花袋、ジャック・ロンドン。。。

ね、これで、平凡な話が展開するわけがねえでしょう?!

毎日新聞に掲載されていたのを読んでいたのですだが、職場で新聞の購読がストップしちまって、実家で
まとめ読みするにも、もう話についていけなくなってしまっていたのが、このたびようやく本として出版された次第。
     
ところで、この物語が始まるのは日露戦争開戦の直前の明治36年(1903年)。
何年、といおうと「明治」といわれるとおらには教科書で学ぶ遠ーーーい昔のことなのですだが、読み始めてすぐに
度肝を抜かれちまった。

槇の甥、「若林勉」という青年が登場するのですが、彼が愛用しているのが「トーマス」と名づけたオートバイ。


オートバイ?!


ウィキで調べるとオートバイの誕生は19世紀後半。1906年に国産のオートバイが登場しているので、新し物好きな
人が個人で外国から取り寄せていてもおかしくはねえ(しかし、燃料はどうしていたのだろうか。。。)のですが、先ほどもいったように、おらのなかでは「明治」という時代は「果てしなく昔」の印象がありますだ。

明治の前は「江戸時代」。江戸時代といえば「生麦事件」(なんでだよっ!)。幕末の日本を語る上では外して通れねえ事件ではねえですか。
この生麦事件は「許されざる者」のわずか40年ほど前の事件なんですだよっ!
そいで、移動手段が一方は「馬」、もういっぽうは「籠」と「徒歩」!
いちいち言う必要はねえが、「籠」は人力ですだよっ!
その40年後に日本人はオートバイに乗っているって、すごくねえですかっ?!

まあ、40年という時の流れは、首のすわらねえ赤ん坊がメタボを気にするおっつあんやおばちゃんに変化するほどの
時間ですからねえ。

出だしのオートバイで驚いてしまったおらですが、この1903年という年はアメリカのノースカロライナ州で、ライト兄弟が36mばかし飛んだ年でもあります。
この出来事はたいして人々の注目を浴びねかったらしいのですが、この後、飛行機は改良に改良を重ね、ほぼ10年後には戦争兵器として活躍することになるのですだ。
そっちのほうがすごいけど、オートバイに受けた衝撃が大きかった。

躍動感にあふれ、進取の気性にあふれる物語にひきつけられますだ。

話の終わりのほうで、ドクトル槇は新聞を読んでいて、スイスに住むユダヤ系青年が発見した事象に注目します。
すっかり訳のわからないネジ巻き屋(時計屋さん)によって、この事象がラブレターのようにして彼の恋人に伝えられる場面が好きですだ。

「高速のなかで移動する物体の中では時間はゆっくり進む」




↓こちらをお読みになると分かりやすいですだf^_^;
許されざる者 書評
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by rangerstrider | 2009-09-23 21:33 | 本のこと

戦闘機と戦車と美術品と剣とカタパルトとクラッカーな日々

漫画熱(漫画がやたらと読みたくなること)が再燃しちまって。

きっかけはこちらの本。

「エロイカより愛をこめて」の創りかた (マガジンハウス文庫)

青池 保子 / マガジンハウス



おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおあおおおおおおおおおおおお!

こんな本が出てるって知らなかっただよう!

キャラクター誕生秘話から制作現場の裏側、ドイツ軍の雑誌に「エロイカより愛をこめて」が紹介された記事とその
後日談、とまさしく世界的な反響を呼んでいる(?)この漫画の内側を余すところなく伝えたエッセイ。
間に織り込まれる「本邦初公開!」のイラストが、これまたファンには刺激的で(笑)

ニュースでベルリンの壁が壊されていく映像を見ているときには、「なにか、大きな歴史の動きを目撃してるなあ~、おら。」って感想だったけれど、さすがにソ連という国がなくなったときは、これから世界はどうなっていくんだ?!ちゅう驚きの隅っこで「エロイカより愛をこめて」はどうなるんや?!と心配しちまったのを覚えていますだ。

7年の空白を経て、「ノスフェラトウ」でこの漫画が再開されたとき、モスクワで少佐と再会した伯爵が矢継ぎ早に、

「ねえ君まだ独身?昇進は?」

と質問攻めにする場面が可笑しく、またファンには再開を実感するうれしい場面でもありましただ。
さすがの伯爵もこの世界の激動に、少佐との接触を避けていたんだねえ。。。(少佐が避けていたのか)


とまあ、懐かしい思い出に浸ってしまってすっかり漫画熱が出ちまったというわけ。

今はコンパクトで単行本より中身がお得(?)な漫画文庫版があるからね、少しづつ読んでいこうよ。
と決心したのに、気付いたらおらの手元に、

アルカサル-王城 1 (秋田文庫 20-27)

青池 保子 / 秋田書店



なぜか、「アルカサル-王城 (秋田文庫)」の1巻から5巻まで揃っていた。

14世紀スペインを舞台に、ドンペドロ1世の波乱の人生を描く重厚な歴史漫画。
こんなに高名な漫画なのに、おらまだ一度も読んだことなくって。


ちょっと奥さん、(誰だよ)これ、読み出したら引き込まれてしまってね。あやうく徹夜しそうだったわ!

それでねえ、もうすでに漫画を知らない人には付いていけない域まで行きかけているけれど、話し方まで変わっちゃうくらいの勢いでこのまま突っ走ると、「マルティン・ロペス」に関する歴史的な記述がなにかないかしら、とネットで検索かけていたら、
あるブログに、

『「エロイカより愛をこめて」と「アルカサル」が映画化されるとしたらQ役とマルティン・ロペス役は同じ俳優さんが演じてほしい』

というような内容の一文を見つけ、思わず場所柄もわきまえず爆笑するとことだったわよ。


なぜって?


ワタシも全くおんなじことを考えながら「アルカサル」を読んでいたからです。



美しいイラストギャラリーはもちろんのこと、「リンク集」もぜひ訪れてほしい、青池保子先生の公式ホームページ
LANDHAUS


あ、そうだ、「白クマ」と「ダルブルケルケ」もおんなじ俳優さんでねえと嫌よ。
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by rangerstrider | 2009-08-10 21:21 | 本のこと

白の辛口で。

おらの中でいまんところ、「今年1番の小説」の位置を占めている本。

最終目的地 (新潮クレスト・ブックス)

ピーター キャメロン / 新潮社


          南米ウルグアイの人里離れた邸宅に暮らす、自殺した作家の妻、作家の愛人と小さな娘、
          作家の兄とその恋人である青年。
          過去に閉じこもるかのように暮らしてきた彼らのもとに、突然、作家の伝記を書こうという
          アメリカの大学院生がやってくる。
          思いがけない波紋がよびさます、封印した記憶、あきらめたはずの愛。。。



軽快で洗礼された話の展開、登場人物ひとりひとりの描写が繊細で、物語にのめりこまされますだ。
もうね、アメリカへ戻ったオマー(作家の伝記を書こうとする大学院生)がどう行動するのか、彼の行動は上手くいくのか、読みながら緊張してきちまって。

それから、やたらと湿気の多い気の滅入る天気の中で読んでいるせいか、主な舞台となっているウルグアイという国の人里離れた邸宅、その周辺の空気の乾燥具合まで伝わってくるようで、余計に加速気味に物語に入り込んでいたような気がしますだよ。

なんだかねえ、読んでいると白ワインが飲みたくなるんですだ。

なぜって上手く説明できねえけれど、この小説には白ワインだな。それも辛口の。


この小説はジェームズ・アイボリー監督により映画化されていて、作家の兄をアンソニー・ホプキンス、その恋人を
真田広之が演じているのだそうですだ。
アンソニー・ホプキンス、イメージにぴったり!
映画でも彼がこのセリフを言っているといいなあ。



「もちろん、彼女はきみを愛しているさ。この先も、今ほどきみを愛することはないだろう、なにしろ、今はきみのことをほとんど知らないのだから」



この小説の中で一番おらの好きなセリフ。
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by rangerstrider | 2009-07-28 22:02 | 本のこと

ウェスタンなときもある。

ひゃっつほううう!!

今日は休みだぜい!

天気も良いぜい!

って借りてきた本を読みましただ。

レゾリューションの対決 (ハヤカワ・ノヴェルズ)

ロバート・B. パーカー / 早川書房



以前紹介した「アパルーサの決闘」の続編ですだ。

前作に負けず劣らず面白い!
エヴェレット・ヒッチ、陳腐な言い方だけど、かっこいいっす。
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by rangerstrider | 2009-04-29 20:57 | 本のこと

読書の秋・収穫の秋

読書の秋ですだなあ。

夏から読んでいた本をとうとう読み終えてしまいましただ。

ザ・ロード
コーマック・マッカーシー / / 早川書房
ISBN : 4152089261
スコア選択:


荒廃した世界をさすらう父子のお話ですだ。陰惨な世界とは裏腹に純真な子どもの姿が際立って、
読むのがつらいときがありましただ。
なんか感想を述べてえところですが、まだうまく頭ん中がまとまっていねえ感じで。


ところでおらって、読みたいと思ったときに手元に本がねえと嫌なタイプなもので、図書館をあまり
利用していなかったのですだが、考えてみると、おらが好む本って、新刊のときならともかく
あまりヘビーローテで回転するタイプじゃなかったし、収納面でも問題が出てきたし、うちの図書館、
オンラインシステムを導入したとかで、以前より利用しやすくなったらしいので、なにしろうちから近いし、
土日も空いているので散歩がてらに通うのにちょうどいいではねえかってことで、早速行ってきましただ
(長いわりにはどうでもいい内容)。


で、借りてきたのはこちらの本。

アパルーサの決闘 (ハヤカワ・ノヴェルズ)
ロバート B.パーカー / / 早川書房
ISBN : 4152088273
スコア選択:


西部劇のお話。期間内に返せるかどうか心配していたんだけれど、面白くて一日で読んでしまいましただ。
「ウエスタン」に必要な要素が全て揃っているようなお話ですだな。


で、この図書館と道路を挟んで向かい側に農産物直売所があるのですだ。
意外と交通量の多い道路を横切らずとも行き来できるので、ここの直売所も散歩ルートに組み込まれる
わけですだが、良質のお野菜が安く買えるとあって午前中も早いうちに売り切れ続出なのですだよ。

お野菜がいっぱいなときには人もいっぱい。人ごみが嫌だと思ったら、お野菜も消えている。

図書館以上に直売所の利用のほうがコツがいりそうですだ。


コメント欄閉じています。
よろしければrivendell02jp☆yahoo.co.jpまでメールくだせえ。
☆を@に変えてください。

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by rangerstrider | 2008-10-14 07:07 | 本のこと

娑婆気

先日、テレビをつけていたら面白そうなドラマをやっていて、あれやこれやと用事をしながら見てしまいましただ。

面白かったのですぐにTSUTAYAに直行して、原作本を購入。

レジで、文庫本を袋に入れおつりと一緒に渡してくれながら、若い店員さんがにやり、と笑って言いましただ。

「ドラマ、見たんですね。」

ええ、面白かったので原作が読みたくなって。

「わたしも途中まで見てたんですけどね。。。」

多分、休憩時間がドラマの途中で終わってしまったのですだな。



ところで、おらたちを夢中にさせた原作とは、

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畠中 恵 著「しゃばけ」(新潮文庫)

「しゃばけ」シリーズ、第1作ですだ。

江戸有数の廻船問屋「長崎屋」の大事な大事な若だんな、一太郎。
生まれつきからだが弱く、しじゅう寝付いてばかりの彼はこっそり
目を盗んで外出した夜、人殺しを目撃してしまいますだ。
以来、猟奇的事件が続き、一太郎は事件の解決にのりだすことと
なります。。。。

外出もままならねえ一太郎は「安楽椅子探偵」というところなので
すが、いささか様子が違うのが、ひ弱な彼をしっかり守り、
彼のもとに情報を寄せ集めて来るのが「妖(あやかし)=妖怪」たちであるというところ。

一太郎はなぜ人目を盗んで外出しなければならなかったのか?
なぜ、家族も気付かない妖が彼に見え、彼の元に集うのか?なぜ、かように病弱なのか?

やがて見えてくる、ひとの心の奥底に眠る「娑婆気(しゃばけ) 俗世間における、名誉・利得などの
さまざまな欲望にとらわれる心」

怪奇事件を追っていくうちに明かされる一太郎自身の秘密。
それらがはっきりしてくるころには「しゃばけ」の世界にすっかりなじんでしまった自分に
気付くはずですだ。

仁吉も佐助も素敵ですだが、やはりおら、一番のお気に入りは鳴家(やなり)という小鬼たち。
もし、あなたさんのおうちの天井や隅から、なにもねえのにカタン、やドタン、といった音が聞こえて
きたら、それは鳴家たちの仕業ですだよ。


あー、この本に子供のとき出合っていたら、寝るのが怖くなかったはず。


こんなサイトも見つけちまいました。
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by rangerstrider | 2008-02-11 15:23 | 本のこと

ヘイ!ヘイ!ブー!

ブログをすっかり放置、、、といってもたった2日だったのか、、、しておったうどんですだが、




連休からこちら、


おいしーーーいパンを貰っちゃったり、


いつも借りられっぱなしで見れないーー#と喚いていて(で、いつの間にか忘れていた)
ジェイソン・ボーンシリーズの第2弾「ボーン・スプレマシー」も別ルートから借りれちゃったし、


うどん、楽しいことがいっぱいで、忙しいンですヨ!








あれ、このしゃべり方、この幸せな環境、どこかで見た、、、、、、、、、、、、



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出た!


いやはや、巷で話題、というかすでに一般常識?になっているこのマンガが一セット、おらんちに
回ってきた(名づけて移動図書館)途端、一日は「のだめカンタービレ」で始まり、「のだめカンタービレ」で
終わるようになっちまいましただ。もう、すっかり虜。のだめ中毒。@0@;;;


面白いんですものーーーーーーーー!!

ハルカさん、ありがとうございますだ。(パンもDVDも実は全部ハルカさんからだったりする f^_^)
どんどん読み進んでしまうけれど、もったいないから何度も同じ巻を読んだりしておりますだ。
それで何度も同じところで爆笑したりして。


いいなー。音楽できる人って。


そいで今、むちゃくちゃクラッシックが生で聴きたくなっているうどんですだ。



*コメント欄復活いたしましただ。
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by rangerstrider | 2008-01-18 21:35 | 本のこと

ノスタルジックな週末

「フランバーズ屋敷の人々」というシリーズの小説が好きで、中学生のときから何度も読み返していますだ。


今から100年ほどまえのイギリス。
飛行機の揺籃期、古い価値観と新しい価値観との狭間で苦悩しながら成長してゆく若者達の物語。


特に第2作の「雲のはて」が好きなのも中学生のときから変らねえ。

なんだか、人間的な成長がねえ気もするけれど(笑)

学校の図書館で読み、卒業前に読み直し、卒業してからもやはり読みたいので購入して
手元にある本。

話の展開はもう充分知り尽くしているのに、何度読んでも同じところで失望し、希望にドキドキし、胸を締め付けられるのですだ。いまだに。

もうとっくに主人公たちの年は越えてしまっているのに。


作者のK・M・ペイトンの躍動感ある描写と主人公クリスチナの心の葛藤に引き寄せられるのです。

いまだに。

何度読んでも。

K・Mペイトンの作品はこれ以外にも日本に紹介されていて、やはりそれぞれ高い評価をうけておるようですだが、
おらは小説はこれ一作しかしらなくて、もう一作、レンタルビデオで見たのが
ライトハンドマン

日本語のタイトルが気に入らねえです。
Right Hand Manには「腹心」の意味があるそうですだ。
こちらもやはり、主人公の若者達が目の前に立ちはだかる問題を古い価値観などに囚われず、自分たちで解決しようとしていく話。

派手さはありませんが心に残る映画です。原作が読みたくなりますだ。
きっと馬車のレースのシーンなど躍動感あふれる描写になっているに違いねえ。
ルパート・エヴェレット、ヒューゴ・ウィーヴィング競演。もう20年近くも前の映画だから二人とも
若い!額も狭いし(苦笑)
フランバーズ屋敷のシリーズに負けず劣らずな若者を好演しております。

本もネットで購入するか、図書館で借りるか、映画のほうはレンタルビデオでのみ視聴可のようですだが、
突然ペイトンの作品の紹介なんかしちまったのは、週末、クリスマスなど全く関係なく
「フランバーズ屋敷の人々」のシリーズを読み返し、どっぷりその世界に浸っていたからなのですだ。

飛行機で英仏海峡横断したり、宙返りしたり、馬で柵を越えたり、

忙しかっただな。。。。。


気持ちだけ。
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by rangerstrider | 2007-12-25 15:27 | 本のこと

ピピンの存在の大きさ

週末ずっと「ライラの冒険シリーズ」第一部、黄金の羅針盤 (上・下)を読んでおりました。
映画化されて来春公開予定の話題の映画の原作なんだそうですだ。


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帯の『映画「ロード・オブ・ザ・リング」のスタッフが総力を結集して贈る
冒険ファンタジー』に惹かれなかった、っちゃー嘘になりますだなあ。

でも、なんだろう。描かれる世界はなかなか面白いのだけれど、
どことなーく、物語の底辺にそこはかとなく暗さを感じてしまうのは
おらだけでしょうか?

これまた「ナルニア国物語」と同じくキリスト教の定義(?)が物語の
ベースになっているせいか、出てくる人々がなんらかの形で物語に
必要な人物(と、運命付けられている)ってのがおら的に微妙に
楽しめねえ理由のように思いますだ。
なんかねえ、息抜けねえ感じなんだよねえ。登場人物に。


ついつい「指輪物語」と比べちまうんですが、トム・ボンバディル
だとかピピンだとかの存在って、意外と大きかったんだなあ。
トールキンさんがイギリスの神話・民話的な方向で書いているから
上記2作品と比べるのがそもそもお門違いな気はするのですだが。

ところで、映画のほう、アスリエル卿をダニエル・クレイグ、コールター夫人を二コール・キッドマンが演じる
ようですだな?
いや、この配役は悶絶するほどぴったりだと思います!(コールター夫人、原作では黒髪なんだけど)

映画「ライラの冒険 黄金の羅針盤」予告編

さて、「話題のファンタジー」と呼ばれておりますが、物語の本質にはこの「羅針盤」以降触れていくんですだよね。
続きを読むべきか、それともおらの感じていた「そこはかとない暗さ」がおらの中で大きく
なってっちまうのか現在思案中。。。


今回、超久しぶりの「本のこと」カテゴリですだ。
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by rangerstrider | 2007-10-01 22:07 | 本のこと

この空はあなたの空につながっている

ゴールデンウィーク中にゆっくり読むつもりで買った、米原万里さんの嘘つきアーニャの真っ赤な真実

ところが読み始めたら、先が気になって止められなくなってしまい、その日のうちに読んでしまいましただ。

少女時代を東欧で過ごした米原さん。30年経って、当時の同級生を訪ねていく過程がとても臨場感があって、エッセイの域を超えているような。
おらにはいまいち馴染みのない東欧の国の、しかしそこで暮らしている少女たちのなんと生き生きしていること!なあんかみんなに懐かしさを感じて親しみが湧いてくるのですだ。


みんな、無事でいらっしゃるだろうか。。。。


思わずおらまで気になっちまう。彼らが激動の時代(って、教科書で習っておぼろげに覚えているくれえですが)をどう過ごしたのか、気になって気になって。。。。

ようやく出会って、初めて知る真実。

とりわけ、ヤスミンカの境遇。昨日まで人種など全く気にせず笑い合っていた隣人たちが口も利かなくなり、殺し合いを始める。そういったことが本当に起こるんだ。。。。。。。



かって人間はひとつの言葉を話していた。
バベルの塔を建てようとして神の怒りにふれ、
別々の言語を話すようになった。




昨日、映画「バベル」を見ながら、この本のことを思い出していましただ。言葉が通じれば人間は分かり合えるのか?小さな出来事が引き金となり、大きな奔流となって人々を巻き込んでいく。国家という大きな枠のプライドに、今、目の前で助けを求めている人々の声が届かない滑稽さ。

撃たれたのがアメリカ人でなければ、これほどの騒ぎにはならなかったかもしれねえ。

驕り高ぶったアメリカ人観光客の姿は、大国の驕りを象徴していて、まさに米原さんが別のエッセイで語っている無知の傲慢にダブるように思うのですだ。


「本のこと」になっていますが「本と映画のこと」になっちまいました。
米原さんのエッセイは軽快で、物事を別の点から捉えてみることを教えてくださいますだ。
とりわけ、今のようなどこのマスメディアもおんなじことしか伝えない世の中では、必要なことのように思います。


【その他の米原万里さんの著書】
魔女の1ダース―正義と常識に冷や水を浴びせる13章

不実な美女か貞淑な醜女(ブス)か
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by rangerstrider | 2007-05-24 14:55 | 本のこと