「ペルシアの彼方へ 千年医師物語Ⅰ」(ノア・ゴードン著 竹内さなみ訳 角川文庫)
この本から始まる物語がとても壮大で、主人公たちが地にしっかり足のついた人達で、 自分の運命をしっかり冷静に受け止めて、あの、それで、いろんなことが起こって、、、 それであの、おら、この物語がどれだけ好きか、きちんと書こうと思ったのですだが、 何度やってもまとまらなくて、それで、ぱくぱく、どうやったらうまく伝えられるか、ぱくぱく、 考えておるのですだが、金魚のように口をぱくぱくするばかりで。。。 そうしていたら、訳者である竹内さなみさんが読みどころをご紹介くださっておりましただ。 そうですだよ!おらが感動した点、惹きつけられた点はまさにここにあるですだよおお! (なんだか手抜きのように感じなくもないけれど ^_^;;;) おらが一番尊敬しているのは「ペルシアの彼方へ」に登場するロブ・Jとメアリー。ロブ・Jの、 逆境から這い上がる精神力の強さは二ール・ケアリーに似ている気がしますだ。この二人が 異郷の地で迎える衝撃的な出来事。深い愛情で結ばれている二人だからこそ、乗り越え られたのだと思うのですだ。メアリーの懐の広さ。生まれ故郷のスコットランドで ロブ・Jを迎えに戸口に彼女が現れたときにはおらもほっとしちまいましただよ。 一番気に入っているのは第2部「シャーマンの教え」に登場するロブ・J(シャーマン)。 耳が聞こえないというハンディをものともせず、医師の道を歩むシャーマン。 一度、「話す」という能力を忘れてしまった彼のために、家族がつらいことだと承知しながら とる行動、それによってシャーマンがふたたび言葉を発しはじめる場面では大泣きしちまい ました。一途にひとりの女性を想い続ける、ちゅうのは女性として、一度は遭遇してみてえ シチュエーションでありますだ。 口をぱくぱくさせながらも、おらがこのシリーズの好きな点を語ってきたのに、 完結編となる第3部の「未来への扉」になるとがくっとトーンがさがっちまいますだ。 おらがよく読みこんでいねえことに理由があるのですが、 それは決して、主人公が女性(RJ)であるからでも、一冊で話が終わっているからでもなく、 現代の医学がこれほどにも細分化されていることを思い知らされ、専門化されすぎて しまった結果、医を施す対象に人間がいる、という感覚が消えてしまっている感じがするから ですだ。RJが田舎に引越しをすると、なぜかほっとしてしまったおらですだ。 宗教や人種問題、中絶問題、様々な要素がからみあってこの壮大な物語を作り上げて いますだ。何度も読み返すうちにきっと違った面が見えてくるにちがいない。 そこがおらを惹きつけてやまない一番の理由かもしれねえですだ。
by rangerstrider
| 2005-08-05 22:16
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